優しい感触
毎日木を掴む。
柱や梁、工場でセットされたパネルや複雑な部材を運ぶ。
上の階へ上げる。
いわゆる棟上げ。
上棟という、トラックから下ろされた材料を組み上げて、家の形を一気に組んでゆく工程である。
自分は大工ではないので、ここでは手伝いということになるが、この家に住むことになる施主にとっては大工と何も違わない存在だろう。
実はカシマ、いつかは自分の住む家や自主制作映画のセットなどを、一人か仲間数人で全部やってみたい。
オーダーメイドの奇想天外なウッドハウスを造り上げたい。
これがわが社の目標なんです。
そのためにいつも外構にも、建て方にも参加して、全部を視て盗んで勉強しているのであります。
商売としてウッドデッキをしているが、本当の今の段階での思いとしては、商売度外視で、なるべく人が困らないですむような、何か不安があるなら取り除くことができる事業がしてみたかったのだ。
多くの建築業者を渡り歩いた反生の一つの結論がこのような形態。
文句は言わせない。
意地の悪い、ちょっと不快な思いをしなければ成り立たないような経済構造に対する疑念があるならば、自分はそれに対してはやれる限りの疑問を投げ掛けたい。
そしてカシマエムテンに、同じようなその疑問をぶつけてくれるお客さんには、納得してこの手を使っていただきたい。
漠然とそんな思いを口にして、一年かけて具現化してゆくと。いつの間にか田園調布に引っ越して、個人事業主としてあらゆる人と空竜して、集客目指して歩きだしていました。
明日も。
木に触ろう。
あの匂い。
そしてぬくもり。
人は木に囲まれて生活するのが良いんじゃないかな。
カシマエムテン
賀島良樹