きっかけ
「いつもお世話になっております」
最近は誰にでもこう言うようになってきた。
このひと月ほど助っ人で行っている現場でいつも会う外構の師匠、提携会社の凄腕社長にはさすがに言わないが、その他の知り合いの誰かに久しぶりに話しかけられた時や、夜勤明けで怪我などをしない様に集中して、没頭しているときにいきなり受ける問い合わせの電話などの、相手が初見であってもとっさにそう言ってしまうのだ。
おそらくはこの半年間の格闘の日々の中で、知らずに身に付いてしまった言葉なのだろう。
去年秋、カシマエムテンを始めてから。
この屋号は川越街道沿いのマッサージ店にいたころに、自分は内装を整備する担当だったため、そこの代表に付けてもらった名前なのだ。
「いやそれは、かしま工務店だろう」と誰かに突っ込まれそうだが、綴りを端折ってカタカナにしただけなんです。
思いつき。
実は7年前に、その店の屋号を付けた自分賀島発案のものを、次の日にアレンジしてしまった代表に対する、お返しのアレンジなのです。
ある日そのとぼけた代表が珍しく目を輝かせて、「中庭に、ウッデッキを造ろう」と言い出した。
自分(賀島)は当然そんなもの造ったこともなかったが、土木も建築も自衛隊も畜産もタクシー運転手も経験したブルーカラー侍賀島は、なんの躊躇もなく二つ返事でOKした。
そんな100㎡規模のウッドデッキに対する報酬ってのは?
ふつう工務店に支払われる相場のんん分の・・・一かな。
でもそんなの関係ねえ。
数か月間、様々な実験を繰り返しながら、家一軒分ほどもある屋根付き、基礎固めアジャスター付きの三段ステージ、スロープデッキを、とうとう一人きりで造ってしまったのでした。
その経験はお金には変えられない。
そこで生まれた貴重な理念が、施主のニーズに、あくまでも応える施工者のあるべき姿。
徹底的に、我を滅私、顧客の要望に対して、自分のノウハウを提供する。
自社の都合などは後回しでよい。
押し付けず。
不安に寄り添う。
これがカシマエムテン。
個人とプロとの間に入って、癒しのお庭を提案する。
どこまでもお客の目線、お客のお庭でのパフォーマンス。
家族で初めてのDIY。
そのお手伝いだけでもいいのですよ。
もちろん100%の施工も1㎡=一万円の明朗会計。
できることから、出来ないことまで。肩もみまで。
大きな会社に頼みづらい小さな工事はカシマにお任せください。
大きな工事に対しても、バックアップ業者のご紹介もお任せください。
半年の準備期間を経て、今は記念すべき第一件目の施工をお待ちする。
様々な方々に助けてもらい、ゆっくりと外構全般の勉強をしながらカシマエムテンはその日に備えている。
感謝しかない。
お会いする日を楽しみに。
「いつもお世話になっております」
賀島良樹